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クルマと医療の連携が
もたらす未来
車載統括 車載5部 部長
下引地 護
自動車の灯体、計器類、空調制御の市場を主とした部門を担当。また、部門横断型プロジェクト「電動化」のリーダーとしてメンバーと共に企画開発型の営業を推進。
東日本統括 営業3部 部長
小池 保
FA(工場自動化)・半導体及び、医療業界に属するお客様への営業活動を遂行する部門を担当。部門の方針・戦略の立案から、営業体制の構築、顧客上層部の皆さまとの各業界に関連する様々な情報交換と、課題解決提案までを実施。
多くの得意先様、仕入先様に支えられた100年。
下引地
多くの得意先様、仕入先様に支えられ、下田工業は100周年を迎えることができました。絶縁材料の販売から始まり、多くの事業と地域に根ざした活動を続ける中で事業領域が広がり、お客様に可愛がられる組織に育ってまいりました。
中でも我々の医療ビジネスは比較的新しい事業領域ですが、時代や、顧客のニーズに添った柔軟な活動を続けてきたことが、100周年に繋がりました。業種、業態が固定化されていないため、得意先様、仕入先様と協業した、新しい製品や工法の開発など、お客様の課題解決に繋ぐ様々な提案活動ができる強みがあると思います。
小池
下引地
のべ数千社の企業とのお取引実績がありますからね。
2020年のグループ4社の経営統合も、大きな転機でした。
小池
下引地
統合後は品質管理部門、市場開発部門(現・営業技術部門)を新たに組織し、商社プラスワンの機能を提供していますね。お客様にしっかりと品質をお届けする関わりだったり、お客様に新しい価値を提供するサプライヤーや市場を見つけたり、部門の垣根をこえて課題解決に向けて活動しています。小池部長の部署は、3つの業界にまたがって営業活動されていますからより顕著ですよね。
「部門の垣根をこえる」と言う意味では、異なる業界で活動される営業マンが持つ、事例や情報を共有する仕組みもあります。そこから得る技術や市場の情報、さらには成功事例を応用して、担当するお客様が直面される課題の解決へ向けた提案をした事例も少なくはありませんね。こうして、様々な異業種間にある技術、情報、さらには業界技術に特化したサプライヤー各社をお客様へご紹介できることは、営業冥利に尽きますし、大変喜んで頂けます。
小池
変化する業界に、下田工業は
どう対応していくのか?
下引地
自動車業界は100年に一度の大変革期にあります。キーワードは「CASE」で、「コネクテッド(C)」「自動化(A)」「シェアリング(S)」「電動化(E)」の技術革新によってクルマの概念が大きく変わろうとしています。自動車メーカー、部品メーカーの勢力図も塗り変わり、ここに当社独自の情報網と提案力を持って臨んでいけば、事業のさらなる拡大が期待できます。
CASEの進展により自動車の搭載機器はますます増加していきますね。そうなると従来部品の軽薄短小化の要求や発熱対策が求められます。常に課題を設定し、PDCAを回し続ける自動車業界は、弊社の営業方針である「企画開発型提案」を実践する最高のステージですね。
小池
下引地
おっしゃる通りです。一方で競争も激しくなるので、国内に限らず、海外ビジネスにおいて当社海外現地法人との関り方、役割、機能を具体的に構築し、ビジネスチャンスを捉えていく必要があると思います。
海外と言えば、今年度から医療関連を扱うメディカルグループでも、下田工業として初めて米国に拠点を構えて営業活動を開始します。メディカルでは患者様のQOL向上にむけた低侵襲治療に着目して、医療機器メーカー各社にカテーテルや内視鏡などに使われる部材の提案を推進し、強みになっています。医療大国である米国には世界一の市場と技術があります。そこへ向けて日本企業が誇る繊細な技術と対応力を提案できることは、とても魅力的です。同時に、国、言語、文化、商慣習の壁を乗り越え、結果を出さなければいけないこのチャレンジに責任も感じています。
小池
下引地
メディカルグループに対する会社の期待の表れですよね。他統括部門の先駆けとして米国進出の良いお手本になってくれるように期待しています。
これはプレッシャーですね(笑)。具体的な行動には、必ず具体的な成果・結果が伴うことを信じて、邁進するのみですね!
小池
クルマ×医療が可能にする未来とは?
クルマと医療の連携で言えば、「医療MaaS」ですね。様々な理由で通院できない患者宅に、看護師と医療機能が搭載された車両が出向いてオンライン診療を行うものです。地域医療に新たな選択肢を与え、患者や介護者のQOLはもちろん、医師不足などの社会課題の解決を目指すサービスとして注目されています。
小池
下引地
全国で実証実験が進んでいますよね。先ほどの「CASE」の「コネクテッド」は、さまざまなデータをセンサーにより取得することで、価値を生み出す「つながるクルマ」を指します。この車載センシング機能を利用して搭乗者のバイタルデータを取得し、健康管理に活用することも今後はできるのではないかと思います。
バイタルデータを使おうとすると、その精度や傾向管理が求められますが、その点、通勤など同じ時間帯、状態、状況で使われるクルマは、データ取得に最適な環境かも知れません。ある一定の環境(空間)をもつクルマは、バイタルを測る小さなデジタルツールではできなかったことを実現させる可能性もありますね。
小池
下引地
ストレスも含めたセンシングができれば、当日の体調によって走る道をナビゲートしたり、車での移動がより快適に安全になっていきますよね。
その日の状態(体調)にマッチした、運転ナビゲートは理想的ですね。年々増加し続ける国民医療費は、いまや国の大きな課題となっています。クルマと医療の連携で、交通事故が減ったり、取得したデータを診療や予防医療に活用できれば、国民QOL向上や国の課題解決にも繋がるなど、素晴らしい未来が想像できますね。
小池
下田工業が持続的に成長していくために。
下引地
そんな未来に向けて下田工業がどう持続的に成長していくかを考えると、やはり冒頭に小池部長もおっしゃったように、部門の垣根をこえたアプローチが重要だと思います。医療には厳しい規格があり、高い品質を提供できるサプライヤーがいますし、一方で自動車には定量的に品質を担保するものづくりを行うサプライヤーがいます。部門の垣根をこえて、それぞれのマーケットにおける新しいサプライヤーを発掘し、価値を提供していくことが、会社の成長には欠かせないと思います。
おっしゃる通りですね。時代が変わり、市場のニーズやお客様の考え方も変わりゆく中で、そこに追従していくには、豊富な経験を持つメンバーと若いメンバーとの発想力と創造力が必要です。過去どのような課題に直面し、どのように解決してきたのか。この100年間の歴史を継承しながら、関わって下さった全ての方々への感謝と敬意を忘れずに、価値の共創を目指した活動を推進していきたいですね。本日はありがとうございました。
小池